はじめに:同じ「採用コスト」でも内訳はまったく違う
求人広告の原稿づくりを内製で強化するか、採用代行(RPO)に任せるか。両者は提供価値とコスト構造が異なるため、表面的な金額だけでは比較できません。本稿では、費目の分解と算式、仮の試算例を用いて「自社条件で置き換えて評価する」ための実務フレームを示します。数値はあくまで仮定に基づく例であり、相場や効果を断定するものではありません。
コスト構造を分解する
AI求人作成(内製運用)の主な費目
- ツール利用料(サブスクリプション)
- 媒体出稿費(実費)
- 社内工数(原稿作成・校正・掲載対応など)
- 体制・ガバナンス整備(運用ルール・レビュー体制の構築)
参考として、求人原稿作成AIのWEBサービス「AI求人作成くん」は、既存の求人URLやPDF・Excelの求人票、エアリングシートを読み込み、出稿したい媒体に最適化した原稿を数分で自動生成できます。CSVによる一括リライトにも対応します。対応媒体(読み込み)はハローワーク/マイナビ転職/DODA/エン転職/求人ボックス/エンゲージ/サーカスエージェント/マッハバイト/バイトル/グルメ求人ドットコム/グルメキャリー/クックビズ/各種ファイル。生成はIndeed/マイナビ転職/サーカスエージェント/DODA/求人ボックス/エンゲージ/エン転職/ジョブフカン/イーキャリア/マイナビバイト/バイトル/マッハバイトに対応しています。料金は初期費用0円、月額はお試しプラン100,000円(200回まで、1アカウント)、スタンダードプラン200,000円(使用・機能制限なし、アカウント追加は1件あたり月額100,000円)、カスタムは要相談です。公表事例として、求人広告代理店 ジャパニーズドリーム様で原稿制作の時間と人件費を最大80%削減と紹介されています(効果を保証するものではありません)。
RPO(採用代行)の主な費目
- 初期設計・導入費(要件定義、KPI設計、運用設計)
- 月額固定費(体制の人員・カバー範囲に応じたリテイナー)
- 成果連動費(設計によっては発生しない場合あり)
- 媒体・ダイレクト費(実費)
- 社内側の対応工数(意思決定・面接・最終承認など)
RPOはプロセス設計や複雑業務の代行に強みがあり、要件定義の磨き込みから多チャネル運用、候補者対応まで含めて支援する設計も可能です。
算式と集めるべきデータ
- CPH(採用単価)= 総採用費 ÷ 採用数
- 総採用費= 媒体費+ツール費(またはRPO費)+社内工数費+その他実費
- 社内工数費= 担当者平均時給 ×(求人本数 × 1本あたり工数)
- 必要データの例:年間採用数/求人本数/媒体費/担当者の平均時給/1本あたりの作成・校正・掲載に要する時間/外部委託の費目と単価
注意点:工数削減は「差分としての効果」であり、総額計算では実際にかかった工数費のみを足し込みます(削減額を合計に加算しない)。
仮の試算例(前提を明示)
以下は比較方法を示すための架空の例です。自社の実数で置き換えて評価してください。
- 年間採用数:30名、年間求人本数:120本
- 媒体費:6,000,000円/年
- 担当者平均時給:3,000円
ケースA:AI求人作成を用いた内製
- ツール:スタンダードプラン 200,000円/月 × 12=2,400,000円
- 社内工数:1本あたり1.5時間と仮定 → 1.5h ×120本=180h → 180h ×3,000円=540,000円
- 媒体費:6,000,000円
- 合計:2,400,000+540,000+6,000,000=8,940,000円 → CPH=8,940,000 ÷30=298,000円/名
ケースB:RPOに委託
- 初期費:1,000,000円(仮定)
- 月額固定:1,200,000円/月 ×12=14,400,000円(仮定)
- 成果連動費:0円(本例の設計では無し)
- 媒体費:6,000,000円
- 社内工数:1本あたり0.5時間と仮定 → 0.5h ×120本=60h → 60h ×3,000円=180,000円
- 合計:1,000,000+14,400,000+6,000,000+180,000=21,580,000円 → CPH=21,580,000 ÷30=719,333円/名
示した数値はあくまで仮定です。RPOの範囲や難易度、社内のレビュー密度、求人の特性によって、どちらの選択肢が有利かは大きく変動します。
どちらを選ぶか:判断基準
AI求人作成(内製)が向くケース
- 同一・類似職種の反復募集が多く、原稿制作の速度と一貫性を高めたい
- 媒体運用を内製で回し、制御性(表現・掲載タイミング)を重視したい
- 社内に最低限のレビュー体制を用意できる
RPOが向くケース
- 採用要件の定義やプロセス設計から支援が必要
- 多チャネル運用・候補者対応・歩留まり分析まで一体で任せたい
- 短期に大規模な運用体制を立ち上げたい
ハイブリッドの考え方
原稿作成・掲載を内製(AI活用)、要件定義や候補者連絡など一部工程のみRPOに委託するなど、工程ごとの役割分担で最適化する方法もあります。
実務フロー:導入と検証
- 現状把握:年間採用数・求人本数・媒体費・社内工数の実測を集計
- 目標設定:CPHや採用までの主要ボトルネック(原稿、母集団、選考運用)を特定
- 比較設計:AI内製案とRPO案の範囲・費目を明確化し、上記算式に数字を入れる
- 小さく試す:限定職種・限定拠点で数週間〜数カ月の検証計画を作る
- 見直し:表現レビュー体制と法令遵守(職業安定法等)を点検し、継続可否を判断
AI求人作成くんを使う場合は、既存原稿の取り込みとテンプレ整備から始めると立ち上がりがスムーズです。RPOを使う場合は、責任分界とKPI(役割ごとの達成指標)を文書化すると齟齬が減ります。
まとめ
費用対効果の比較は、「費目の完全な洗い出し」と「自社条件での再計算」が核心です。仮の試算例のように、媒体費・ツール/RPO費・社内工数を同じ前提で並べ、CPHで可視化しましょう。機能や効果を過度に一般化せず、スモールスタートで検証し、最適な組み合わせを見つけることが実務的な近道です。